Contents
ぴんねず家は2022年の9月に念願のイエローストーン国立公園を訪れました。
温泉地帯のきれいな泉や間欠泉だけでなく、バイソンなどの野生動物に出会えたり、大自然に触れたりと、非常に素晴らしい場所でした。
これだけたくさんのことを一度に楽しめるとは、なんて素敵な場所なんでしょう!
しかし、それゆえに、
という大問題があるのです!
なにしろ、西口のゲートから最初のキャンプグラウンドの分かれ道まで、
15マイル(20km以上)!!!
イエローストーン内を一周すると、
140マイル(210km以上)!!!
さらに、見どころも道路沿いにたくさん点在しています。
なので、きちんと事前に計画を立てておかないと、限られた時間で十分に楽しめないかもしれないのです!
というわけで、2日という短い時間で、イエローストーン国立公園を十分に楽しむことができた我々のルートを紹介しようと思います!
ちなみに、自分で計画して旅程を組むのはちょっと苦手という方は、アメリカ現地発のパッケージツアーを利用するのもよいと思います。
自分で運転しなくても、運転手さんが目的地に連れて行ってくれますし、ガイドさんもいたりして、非常に楽ちんです!
➡アメリカ現地発のイエローストーン国立公園パッケージツアーをみてみるイエローストーン国立公園の道路と入口
国立公園内の道路は8の字型
まず最初に、イエローストーン国立公園がどういう形をしているのか、内部の道路や入口はどこにあるのか、などを紹介します。
地図を見てるとわかるように、イエローストーン国立公園は数字の8の字のような形で道路が作られていて、主な見どころはこの8の字の外周に点在しています。大雑把に言うと、8の字の左側半分は温泉地帯、右側半分が自然、という感じです。
特に左下のOld Faithful付近に、温泉地帯の見どころは集中しています。一方でバイソンなどの野生動物は、8の字の右側の草原地帯で多くみられます。
ちなみに、この8の字の一周が、約140マイル(200km以上)となっています。基本的に道路は両方向1車線ずつのアスファルトで、両サイドに車を停めたり、後続車に道を譲ったりするスペースがあります。
1車線しかないので、レアな動物が見えたり(特に熊)すると、大渋滞になります。バイソンが道を占拠することもあり、その場合はしばらく(自主的な)通行止めになります。我々が1周する間に、2回バイソンに道を占拠されました。
公園の入口は全部で5か所のみ!
次に、この8の字にどこから入るのか、つまり、公園の入口を見ていきます。なんと、入口は全部で5個しかありません。
- West Entrance
- North Entrance
- Northeast Entrance
- East Entrance
- South Entrance
この中で、重要となるのが
(1)West Entrance
(2)North Entrance
(3)Northeast Entrance
の3つになります。
というのが、この3つの入口は、近くにホテルなどが並ぶ小さな町があり、旅の拠点として重要だからです。
多くの場合はこの3つのどれかのゲートから入場して、8の字道路に入ることになります。我々はWest Entranceを利用しましたが、ゲートから8の字道路までは15マイル離れています。そういう点ではNorth Entranceは8の字に入るには近いともいえます。Northeast Entranceはゲートから町までは、かなり距離があります。
計画時に確認しておくべき道路事情
旅行計画を立てるときに、非常に重要なことがあります。イエローストーン国立公園はこのように非常に広く、外界からある程度隔離されていることから、災害や事故などにより道路が封鎖されてしまうと、なかなか復旧することができません。
我々が訪れた2022年の9月時点では、夏の豪雨土砂災害の影響でNorth EntranceとNortheast Entranceが閉鎖されており、他にもたくさんの工事中、補修中の場所がありました。
そのため、実際に計画を立てる時点や、訪れる直前に、イエローストーン国立公園の公式HPで道路状況をしっかりと確認してから行くことをお勧めします。
公式HPの道路状況をチェック→こちら
計画当初にホテルを探していたところ、North Entranceの近くのホテル街が非常に安くなっていたので思わず予約しちゃったのですが、
ゲート閉鎖されてますよ!
とホテルから連絡が来て初めて気づきました。
キャンセル料も取られずに済んだのでよかったのですが、きちんと確認しておかないと現地で困るところでした。
※North Entranceが閉鎖されているため、その先の街からWest Entrance経由で入場するには、160マイル余分に移動が必要になるところでした。(以下参照)
その他の事前準備と注意事項
道路の状況なども問題なく、いよいよイエローストーン国立公園への旅の準備が整ったとしても、最も重要な事前準備が残っています。
それは、Google Mapなどでのオフラインマップのダウンロードです!
GPSは使えますが、公園内は一部の休憩所付近のエリアを除いて、ほぼ電波がありません。(我々はAT&Tでした。)
なので、効率よくイエローストーンを回るためにも、オフラインで地図と現在地が確認できるように事前準備しておきましょう!
Google Mapで事前に見どころを登録しておくとさらに便利です!
あと、忘れがちなのが、イエローストーンは非常に高い場所にあるということです。だいたい2200mから2400mくらいの高度に位置しています。2000mを超えてくると、頭痛などの高山病の症状が出る場合もあり、無理のない計画を立てることが重要です。人によりますが、初日がしんどく感じるかもしれません。人間は急速に適応していくので、一晩休むとかなりよくなることが多いです。
旅の拠点(ホテル)をどうするか
イエローストーンの地理的なイメージがを理解した後で、最初に決めないといけないことは、どこを拠点としてイエローストーン国立公園を楽しむか、ということだと思います。
大きく分けて3つのパターンがあります。
距離 | コスト | |
公園内ホテル/キャビン | ☆☆ | ☆☆☆☆☆ |
公園内でキャンプ/RV | ☆☆ | ☆ |
近隣の街のホテル | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
2022年10月現在、North Entranceが閉鎖されているため、現時点では近隣の町は、West Entranceの近くのWest Yellowstoneを拠点にすることになります。
近隣のホテルの価格は、公園内に比べると安くはなりますが、決して安価ではなく、普通のモーテルで数万円レベルの覚悟は必要です。公園から離れれば離れるほど安くなりますが、今度は公園に入るのに時間がかかるようになってしまいます。
公園内にあるキャビンやホテル
最も便利なのは公園内にあるホテルやキャビンを利用することだと思います。非常に広い公園ですが、8の字道路の外周に何か所も大型の休憩所、レストラン、観光案内所、宿泊施設、ガソリンスタンド(これ重要!)を併設した場所があります。
特に、Old Faithfulは、間欠泉が吹き上がるところを見れる場所でもあるので、ここに宿泊すると時間に合わせて間欠泉を観察することができます。例えば、Old Faithful InnやOld Faithful Snow Lodge & Cabinsなど。これらは、間欠泉まで徒歩10分以内です。また、温泉地帯の近くにあるので、有名なMidway Geyser Basinまで車で10分もかかりません。
また、湖の近くにある、Lake Yellowstone Hotel & Cabinsなどは、非常にきれいな湖を見ることができます。滝などの自然を楽しむハイキングや、バイソンなどの野生動物などがみたい場合は、よいスタート地点にもなります。
滞在時間が限られている場合は、こういった公園内のホテルを有効活用することで、より効率的にイエローストーンを楽しむことができると思います。
ただし、公園内の宿泊施設は、非常に人気であるため、空室がなかなかないことや、競争が激しく、特にホリデーシーズンは高価であることが多いのが難点です。
West Yellowstone:西の玄関
West Yellowstoneは我々が実際に2022年9月に拠点とした場所です。West Entranceが町の中にあって、非常にアクセスがよいのがポイントです。
温泉地帯をメインとして見て回る場合は、公園外から最も近い拠点となります。我々は15時前くらいから入場して、左下の温泉地帯を日没までにしっかり楽しむことができました。
ただし、このWest Entranceから8の字道路まで15マイルあります。この真ん中あたりのRiverside Dr周辺に、夕方にクマが出てくるスポットがあるようで、6時くらいから8時くらいまで、2日連続で大渋滞でした(2022年9月)。行きは20分くらいですが、渋滞にはまると2時間以上かかりました。
この辺
○
我々が宿泊したのは、Expediaの値段で、この町で2番目に安いモーテルでした。The Historic Madison Hotel Motelというモーテルで、100年以上の歴史のある趣のあるモーテルでした。レイバーデイの連休で$200しないくらいの値段でした。
他にも、Holiday Innなどのホテルチェーンもありますが、基本的にはモーテルが多い印象でした。なので、モーテルで数万円かかるという意味では、さらに上乗せして公園内のホテルに泊まるというのも、選択肢としてはありなのかもしれません。
Gardiner:北の玄関口
2022年10月現在、North Entranceが閉鎖されているため、おすすめできない場所です。ただし、現地のツアーバスのみ通行可能となっているので、ツアー参加して公園内を探索する場合は選択肢としてありだと思います。
North Entranceの工事現場が見えていましたが、冬場は雪などで工事が進まないことを考えると、まだまだ時間がかかる印象でした。
North Entranceが再開した場合は、Mammmoth Hot Springsやバイソンのいる草原などに、公園外から最も近い町になります。
この辺
○
我々が最初にバイソンに囲まれた場所
ぴんねず家2日間の全ルート概要:見どころと動物の出現スポットも☆
ぴんねず家が2日間で見て回った場所を地図でみてみます。これ以外にも小さな温泉や絶景ポイントに寄ったりしましたが、メインの見どころは以下の通りです。
1日目が黄色、2日目が赤のルートです。動物を確認した場所も記録してあります。緑のバイソンは大群、薄い緑は1頭もしくは数頭の小さな群れでした。青は熊の出現ポイントです。熊はアメリカ人に大人気のようで、すごい人が集まって大渋滞を引き起こしていました。超巨大なバズーカ(超望遠レンズカメラ)で撮影しようとしている人もたくさんいました。
初日に左下ではぐれバイソンに遭遇して時間とってはしゃいでいたのですが、翌日に右側でバイソンの大群に囲まれる事態になったので、左側でのはぐれバイソンは基本的にはスルーして温泉地帯を時間に余裕をもってしっかり楽しみ、右側でバイソンの大群を狙ったほうが良いかもしれません。
我々は1日目は昼過ぎからのスタートでしたが、時間に余裕がある方は1日目に南を一周、2日目に北を一周という感じに分けてもよいかもしれません。
1日目:温泉地帯中心の南側半分ルート
Fountain Paint Pot Trail
Lower Geyser Basinとも呼ばれています。West Entranceから入ると、一番最初にある間欠泉です。規模は大きくありませんが、コンパクトで短いTrailを歩いている間に、湧き出している透明感ある温泉や間欠泉を見れるので非常によいです。
Midway Geyser Basin
そのまま南ルートを5分くらい南下するとMidway Geyser Basinにたどり着きます。Yellowstoneで最も有名な間欠泉があるところです。ガイドマップや絶景写真などでよく登場するので、見たことがある人も多いと思ます。
観光客も非常に多く、駐車場も少し並びました。慣れている人は、Midway Geyser Basinの少し手前にある駐車スペースに車を停めて、歩いて見に行っていました。人が多い時はその方が良いかもしれません。
非常に有名なスポットですが、思ったより間欠泉が大きいのと、非常に近くで見れるので、写真でみた間欠泉と印象が異なるかもしれません。全体像をみれる写真が撮れるのは、次に紹介するFairy Falls Trailheadの丘の上からになります。
Fairy Falls Trailhead
というわけで、さらに5分くらい南下すると、Fairy Falls Trailheadのハイキングコースの駐車場があります。こちらも混んでいるので、手前から歩いていく人もいました。
往復で1.5マイル程度のコースで、最後に丘を登ります。
ガイドブックとかでよくみるあの間欠泉を見ることができます。このハイキングコースは絶対に外せないスポットです!本当にとても美しいです。
Old Faithful Geyser
初日の最後に回ったのはOld Faithful Geyserです。この間欠泉では、定期的に噴出孔からの温泉の爆発を見ることができます。ビジターセンター内に、次の噴出時間の予測時間が掲示されています。われわれが見た次の時間は、だいたい1時間45分後でした。いつもこのサイクルかどうかは不明です。噴出時間はおよその目安で、だいたい前後10分くらいとのことです。我々の時間帯は10分遅れで爆発しました。
この間欠泉の噴出は大迫力です。目の前で見ることができます。予測時間が近づくと、鳥が徐々に逃げ出して、煙が増えていました。何回かダマし的なプチ噴出があって、その後いきなり大噴出しました。
この場所は大きな休憩所も兼ねていて、ホテルやレストラン、売店、ガソリンスタンドなどいろんなお店があります。時間に余裕がある方は、ハイキングコースもあります。ビジターセンターに、ハイキングコース中にある間欠泉の噴出予測時間がいろいろ掲示してありました。
2日目:野生動物と大自然中心の北ルート
2日目は北向きにスタートして8の字道路を一周しました。北側と東側は、自然豊かで、初日のカラフルな温泉地帯とはまた別の趣があります。
Terrace Spring
最初に訪れたのは、分岐を北向きにすすんですぐのところにある、Terrace Springです。ここはかなりこじんまりとした温泉で、観光客も少ないですが、非常に透明感のある温泉で、思わず入りたくなりました。
Gibbon Falls
5分くらい北上したところにあるのがGibbon Fallsです。ここでは、巨大な滝をみることができます。何か所かViewスポットがあるのですが、奥に行くと人が少なくてきれいに滝の写真が取れます。
Norris Geyser Basin
ここは、初日のMidway Geyser Basinと並んで人気のスポットです。たくさんの観光客が訪れていました。まぁまぁちゃんとした長さのハイキングコースがあり、間欠泉の周りを周遊できます。右側ルートと左側ルートに分かれていて、それぞれショートカットする道があります(いくつかの間欠泉をスキップする形になります)。
右側ルートに入ってすぐのところで、間欠泉がものすごく近い距離で噴出している場所がありました。常時噴出しているか謎ですが、しぶきが降り注いできて、温泉スプレーを浴びている感覚になれました。夜にシャワーを浴びたら、髪から温泉臭がしたのはこのせいだと思います。唯一?イエローストーンの温泉に合法的に触れることができる場所なのかもしれません?!
Mammoth Hot Springs
Norrisから30分程度しばらくドライブすると、North Entrance近くのMammoth Hot Springsに到着します。ここも有名な観光スポットの一つです。
初日とは異なる色の温泉で、温泉地帯に生息する細菌の色と、温泉の透明感、壁の色などのコントラストが見事です。近くにはぐれバイソンがいました。
駐車場が少しややこしく、Mammothの上段と下段の2か所に分かれています。一周するのであれば結局階段で上ったり下りたりするのでどちらに止めても同じですが、上段の駐車場は狭いのと、一方通行で出口まで少しぐるりとドライブしないといけません。我々は上段に停めましたが、下段の駐車場にすればよかったと思いました。
Fort Yellowstone
Mammoth Hot Springsのすぐ横にある大きな休憩所です。ホテルやレストラン、売店などがあります。North Entranceに行く道もここから出ます。National Parkに関連した連邦政府の建物などが立ち並んでいます。
この場所は電波がわずかに届く場所でした。
一周する場合は、Grand Loop Rdを進みましょう。
はぐれムースがいました。
バイソンの大群
Grand Loop Rdを少し進むと草原地帯が広がります。ここではバイソンの大群を見ることができます。
道路にも出てきていて、道を完全に占拠しています。こうなると、しばらく進むことはできず、大渋滞になります。我々はほぼ先頭だったので、バイソンの群れを間近で楽しむことができました。
Calcite springs overlookとTower Fall
Calcite springs overlookとTower Fallでは激流と滝を楽しめます。温泉とは異なる自然を感じることのできる場所です。
Tower Falにも休憩所が併設されており、売店などがあります。Tower Fallまでの道はきちんと舗装されていて、0.5マイルもありません。熊が出てきていて、バズーカカメラを構えた観光客でごった返していました。
Inspiration Point
ここからはLower Fallsをきれいに眺めることができます。ハイキングなしで展望スポットに車でダイレクトに乗り入れ可能です。観光客もあまりいませんでしたが、非常に景色がきれいでおすすめの場所です。
近くに、Canyon Villageと呼ばれる休憩所があります。ビジターセンター、キャンプ場、コテージ、レストラン、売店など一通りそろった場所です。何日かに分けて周遊する場合は、8の字のクロス部分を貫通するとダイレクトにたどり着くことができます。
Mud Volcano
ここは少し特殊な温泉地帯で、非常に硫黄の臭いが強いです。硫黄臭が苦手な方は避けてもよいかもしれません。
名前の通り、泥状の温泉がボコボコと湧いています。
丘を登るようなハイキングコースになっていて、だいたい一周1マイルないくらいです。
Canyon VillageからMud Volcanoにくるまでの道で、再度バイソンの群れに囲まれました。
West Thumb
我々が最後に訪れたはWest Thumbです。ここも人気のスポットですが、Midway GeyserやNorrisなどに比べると人は少なめでした。
非常にきれいなカルデラ湖を眺めることができます。湖の中から温泉が湧いているところも見ることができます。
ハイキングコースが1周する感じではなく、突き当りまで行って引き返す、という感じだったのが残念でした。工事していたので、今後は周遊可能になるかもしれません。
まとめ
我々は、休みの関係で2日間(実際は1日半)という短い滞在だったので、かなり駆け足でイエローストーンを周遊する形になりましたが、それでもこれだけのスポットを回って楽しむことができました。
事前に下調べをしておかないとここまで効率的には回れなかったと思います。
- 事前の下調べをしっかりしましょう
- 通行止め、ゲートの閉鎖などの情報は公式HPで確認を!
- 高山病に注意しましょう
- 拠点となる場所から、上手に一周するコースを作りましょう
- 東側に行く予定があるなら、はぐれバイソンはスルーOK
- 現地ではしっかり楽しみましょう☆
今までで一番ステキなNational Parkだと思っていますので、ぜひ皆さんにも遊びに行って欲しいです!
長くなりましたが、我々のルート解説、体験談がお役に立てばうれしいです。
➡イエローストーン国立公園で壮大なアメリカの大自然に触れる旅の記事一覧
ぴんねずの旅のしおり
[SUPER-INTERACTIVE-MAP ID=1]